Medical Aroma Therapy &Botanical Life

A life with flower and aroma makes you feel relaxed..

精油はガンに効くのか!?

東邦大学医療センター大橋病院外科医(乳腺)の長田拓哉先生発、和精油の研究成果に明るい未来を見た!

先日、日本メディカルハーブ協会が主催する「第三回学術フォーラム」を聴講させていただいた。 
テーマは、東邦大学医療センター大橋病院外科医(乳腺)の長田拓哉先生による、
「がんに対するアロマセラピーの有効性について」。

大変興味深く拝聴して、精油の底力を実感させていただく機会になった。

今や、日本の女性の乳がん罹患者は10人に一人と聞くと、
他人事ではない。

年齢的には40代~60代が多く、そのうち、
遺伝性変異による発症は全乳がんの10%を占めるのだという。
何年か前にアンジェリーナ・ジョリーさんが遺伝性乳がん・卵巣がんのリスクが高いと判明して切除したというニュースを思い出した。

この度の長田先生のご発表は、和精油のヒノキとアスナロ(ヒバ)の
抗ガン作用についてが中心だった。

まずは、以下、その概要です。

 ヒノキ精油のヒノキチオール(Hinokitiol)は  
 すでに抗腫瘍効果について数々の発表がされている。

 たとえば、大腸がん細胞における細胞増殖抑制作用の誘導、
 肺がん細胞における抗酸化作用(Huang CH et al.Molesules 20:17720-17734,2015), 
 がん細胞に対するDNA障害、細胞死誘導効果(Li LH et al.PLOSt one 10:1371,2014),
 前立腺がん細胞の抗腫瘍効果(Liu S al.BBRC351:26-32,2006)など。

そんななか、長田先生がとくに注目していらっしゃるのが
アスナロ(ひば)精油のツヨプセン(Thujopsene)という成分で、
マウスの段階ではあるものの、
ツヨプセンは胃癌、乳がん、大腸がん細胞に対して、
強い抗腫瘍効果が認められ、
なんと、
”時間の経過とともにガンが死滅した”というのだ。
(全滅ではない)
「アスナロの香りをマウスに嗅がせると、
 8時間以内にマウスの血液中のツヨプセンの濃度が上昇。
 マウスはアスナロの匂いを嗅ぐことで、血液中にツヨプセンが入り、
 がん細胞に到達してガンを抑制する、というメカニズムが考えられる」

「また、ツヨプセンはヒノキチオールよりも強い抗腫瘍効果を示し、
 両者を混合(Mix)すると、より強い効果が見られる」
(Nagata T et al.Clom Exp Phamacol.2016)

精油は、単体よりも複数の精油を用いることで相乗効果が期待できると学んでいたが、
ここでもそれを裏付ける結果が見られた。

それにしてもなんと強力な作用だろう。
驚きとともに、その絶大の効果に感動してしまった。

長田先生はこの度の研究に
yuica(飛騨高山の精油会社)と加賀木材(石川県能登の精油会社)を使用しているそうですが、
偶然にもyuicaはレッスンさせていただける資格を取得しているので、
少し説明させていただくと。。。

アスナロは、原産国:日本、ヒノキ科アスナロ属で、学名 Thujopusis dolabrataという。
「明日はヒノキになろう」という言葉があるのですが、漢字で翌檜と書く。
檜の樹木の元で、健気に育つ小さなアスナロをみて
そう呼ばれるようになったのだそうだ。
そんなアスナロには、ツヨプセンという成分が7割ぐらい含まれていて
それが、ガン抑制効果に発揮すると。
これほどまでにツヨプセンが含まれている精油は、和精油、西洋の精油を含めても
見当たらない。
あえて言うと”シダー精油”に含まれているのだが、せいぜい15~35%だ。

もともとアスナロは防虫効果や抗菌効果があり、アスナロで建てた家には
蚊が寄り付かない
、という言い伝えも残っている。
香りに重みがあって、たった1滴でも力強い、樹木の香りがする。

ツヨプセンが属するセスキテルペン炭化水素(+)のグループは、
強壮、刺激作用があり、
全体的にカラダを活性化させて元気にしてくれる作用が期待できる。

もともと抗菌力や元気にしてくれるイメージはあったが
ガンの効果が期待できるとは、あっぱれ、アスナロの底力を見たような気がした。

私は長田先生の講演を伺って以来、
時々、1滴たらした香りのシートを洋服に着けて香りを楽しんでいる。

まだマウスの段階だそうですが、
さらなる研究が進んで、一日も早い医療現場での使用が待たれる。


PS
日本では、精油は「雑貨」扱いのため、精油の取り扱いについては自己責任です。
このコラムは、ヒトのカラダに対してその効果を保障するものではありません。

宣伝になってしまいますが、今後、長田先生も研究にお使いになっている
yuicaの和精油を当サロンのレッスンでも取り扱っていく予定です。

檜(ヒノキ)
日本の樹木を代表する檜。モノテルペン炭化水素類の成分が多く含まれ、交感神経を活性化してくれる「森林浴効果」を期待できるといわれています。
翌檜(アスナロ)
檜に比べて、比重がやや重いため香りも長続きします。長田先生に注目してもらえて、今後、医療現場での期待も膨らみますね。
Yuicaの和精油。檜と翌檜
和精油も最近注目を浴びるようになってきた。
2021/10/6