Medical Aroma Therapy &Botanical Life

A life with flower and aroma makes you feel relaxed..

「香り」は「痛み」より速く脳へ伝わる!

嗅覚はヒトの五感のなかで最も本能的で原始的な感覚

アロマテラピーに関する資格を数々取得してきましたが(さらに取得中)、
特に興味深いのが「脳の働き」と「香り」の関係です。
それらの復習を兼ねて、ざっくり(!)まとめてみたいと思います。

(右の図はフリー素材から取得したので、今回の内容にすべて合致しているわけではありません。
わかりづらいかもしれませんが3つを総合してイメージしてくださいね^^; イラストもざっくり^^;;;)

早速、脳内での香りの流れを具体的に見ていきましょう。
ヒトは香りを嗅ぐと、鼻の奥の嗅上皮というところで嗅覚受容体に結合すると
電気信号に代わって脳内に到達します。
その速さは、なんと0.15秒といわれ、
「痛い!」と感じるより速いそうなので、驚きですよね。
(MAAメディカルアロマ講座にて)

そもそもヒトの脳は、大脳辺縁系で食欲(生命維持)や性欲(種の保存)など
本能的で、原始的な役割を司り、
大脳新皮質で知能や思考など知的・理性的な機能を司っています。

大脳辺縁系は「古皮質」「旧皮質」ともいわれ、祖先が発達させた部位のひとつです。
本能的な快・不快を生じる「偏桃体」、
記憶を司る「海馬」、
意欲を生じる「帯状回」などを総称して「大脳辺縁系」といいます。
この部位は、哺乳動物に共通した機能と考えられています。

犬の嗅覚がヒトの100万~1000万倍敏感だといいますが、
敵の識別や縄張り確保などのために「匂い」を司ることが
生き残りをかけて、重要な機能だったのかもしれませんね。
ヒトの脳は進化の過程で大脳新皮質を著しく発達させたため
(脳のシワは発達しすぎたから??)
嗅覚が退化したのではないか、と考えられているそうです。
(ということは、そもそも原始時代はヒトも
嗅覚が犬と同等に発達していたということになるのかな)

ヒトの嗅覚の経路は、前述のとおり電気信号に代わって脳内に到達すると
嗅球を経て、梨状皮質、大脳辺縁系にある偏桃体、海馬、視床・視床下部、
大脳皮質嗅覚野(眼窩皮質)へと瞬間的に伝わり、
香りの認識が識別されると考えられています。

興味深いのは、偏桃体や海馬を経由することにより、
過去の香りの記憶がよみがえったり、好き嫌いという個々の感情も
香りの識別に影響を与えているということです。

瑛人さんの「香水」が流行しましたよね。

「♪別に君をまた好きになる
ことなんてありえないけど
君のドルチェ&ガッバーナの
香水が思い出させる♪」(一部抜粋)

瑛人さんの想い出を歌詞にしたと某番組で聞きましたが、
脳内機能的にみると
瑛人さんの海馬と偏桃体に懐かしい香りとして記憶が残っている、
ということなんですよね・・・。

香りの作用はそれだけではありません。
視床下部は司令塔として、自律神経や内分泌系へ働きかけ、
体温、消化、睡眠を調整など重要な役割を担っていますが、
じつは、香り成分がカラダの調整に働きかけていることもわかってきました。

この香りの働きかけについてもとても興味深いので
また改めてアップさせていただきます。

私がアロマテラピーや薬用植物にハマってしまったのは、このように、
香り成分が少なからず私たちの健康管理に役立っていると考えらえることが
わかったからなのでした。
植物への愛が深まる一方です。

2021/5/13