Medical Aroma Therapy &Botanical Life

A life with flower and aroma makes you feel relaxed..

「いい香り~」だけではもったいない驚きの作用

植物が生き抜くための芳香成分が、ヒトにも作用することが分かってきた!

フリーランスのお仕事(校正)が忙しくなってしまって、
腰を据えて書けなくて、間が空いてしまいました~!
失礼いたしました!

いろいろ精油やハーブをご紹介していく前に、
まずは香りの私たちのカラダへの働きかけについて
お話しさせていただこうと思います。

そもそも芳香植物がどうして香るか、ご存じですか?

そうです。
昆虫を引き寄せて受粉するため、それも当たりです。
ミツバチや蝶はその香りに、まんまとおびき寄せられていますよね。


そのほかにも、
自身の身を守るための抗菌、防虫だったり
紫外線を吸収するためだったり、
抗酸化作用などなどさまざまな理由が考えられるわけですが、
移動できない植物が環境に合わせてその地で生き抜くために
必要な成分だとされています。

そして、その芳香分子は実に数十万種類あるともいわれています。

というわけで、
古来より、ヒトはその香り成分を役立たせていただいてきたわけなんですね。
それを最初に発見したヒトも偉いと思います。

たとえば、芳香植物を最初に利用したといわれる古代エジプト人は
ミイラの腐敗防止のためにミルラを用いていたことで知られています。
ウッディななかに、ややスモーキィでスパイシーさを感じる
独特な香りがしますが、
エジプトでは、ほかに太陽神ラーへの薫香としても
用いられていたといわれています。
また、このミルラは東方の三博士がキリスト生誕の祝いの品として
捧げた3種の宝物の一つでもあります
(ちなみに、ほかの二つは黄金と乳香と言われています)。


ミルラとは樹木の名前で、
現在はインドやソマリア、エチオピアの荒野が産地で、
樹皮の傷をつけて生じた樹脂を採取して精油を作るのですが、
この樹液、実はミルラ自身が傷口を守るための樹液なのだと習いました。

荒涼とした大地で生き延びるために傷口を塞ぐ樹液だと思うと、
効果ありそうですよね。
抗酸化作用があることが示唆された、という研究データも発表されています。
実際、炎症や感染作用を抑えてくれたり、傷を治す作用に効果を発揮するため、
介護ケアの現場で床づれの患者さんに用いられて、
効果を発揮しているそうです。

そのほか、落ち込んだ気持ちを高揚させてくれるなど精神面でも効果が期待できます。

ミルラ一つとっても、ただ香りを楽しむだけではもったいない、
植物の香り成分は、知れば知るほど奥深いものがあります。

自然の恵みとは本当にありがたいものです。
精油を学んで、私がまず最初にしみじみ思ったことでした。


森林浴のスッキリ感も
爽やかなレモンの香りも、
ラベンダーが安眠にいいと言われているのも
実際にそれらに含まれる芳香成分が脳へ働きかけてくれているんですよ~。


というわけで、単に、「いい香り~」と
嗅ぐだけではもったいない、というお話でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は、カラダへ働く仕組みについて、お話したいと思います。

ミルラほか芳香植物たち
「キフィ(Kyphi)」といいう古代エジプトの神殿で用いられたといわれる薫香を作ってみたくなって、そのレシピと材料を入手したときのものです。新月の夜から満月にかけて、レシピに則って作ったんですよ。出来上がりの香りはイマイチでしたが^^;;(まだ残っているので、いつか嗅いでみてください)。
古代ギリシャの著述家プルタルコスは彼の書物で「これらの芳香物質は眠りを誘い、悩みを和らげ、夢を快くする」と著したそうで、ファラオたちは、悪魔が寝室に入らないようにと就寝時にも用いたといわれています。
ちなみに、懲りない私は精油でも調香したのですが、そちらはわりといい香りになりました。
2021/4/20